キーエンス
FA(コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化すること)用センサなど計測制御機器の大手、BtoBで知名度はかなり低いが平均年収は1400万程度(平均32歳)と驚くほどに高い。激務が問題視されたため21時45分までに帰らなければならない規定ができたが朝はどれだけ早くてもかまわないためあまり意味がない気がする。始業が8時半だったか忘れたが大抵の社員が7時半には来ると聞いた事がある。7時半からだと実質14時間、昼飯を抜いて13時間勤務している事になりやはりかなり激務である。営業職はさぼれないような工夫がされているらしく開発職以上に激務であると聞く。営業職は全般的に学歴が低いが開発職はかなりの難関である。
少し変わった選考プロセス
1次面接が最初の関門
エントリーをするとまず最初に説明会+筆記試験が同時に開かれる。筆記試験はペーパー形式の非言語で問題は2種類、おそらくどちらもSPIの筆記版、簡単に対策しておけば落ちることはないだろう。この筆記を突破したら次は1次試験のケーススタディと350問もの性格診断。ケーススタディは私の場合工場現場で急に製品の故障率が上がったからその原因を考えろというもので、文章を呼んで何が問題なのかを短時間で整理して。面接のときに原因を説明するという形式。文章を読む時間が短時間に設定されているのでなかなか大変。ここで大半が落とされる。
2次はフェルミ推定
2次は志望動機、論理力を問うような質問、フェルミ推定である。履歴書を持参するのだが、その場でも志望動機、研究内容などを書かされる。すなわち2重に書くことになる。そしてその場で書いたシートを元に面接される。フェルミ推定は私の場合「日本で養殖される魚の数は?」であった。制限時間は2分で電卓と鉛筆と紙が渡される。正直紙に書いているような暇はないので頭だけで考えたほうが良いと思う。他の人の例では「日本にいる牛の数は」とからしい。いずれにせよ数を問う質問なのである程度予想は立てやすいから準備さえしておけばなんとかなる。また面接中に製品企画をしたいという事を私が言ったら「では企画に必要な能力を3つ言え」という質問が飛んだ。他の人も○○に必要なもの3つというのを聞かれているようなので、聞かれそうな事について抑えておこう。いきなり○○なもの3つと聞かれる分けではなく話の流れで聞かれるものなので、上手く事前に用意した3つについての質問に誘導できればしめたものだ。またこの試験は面接官2対学生1で行われ、公平を帰すためかビデオカメラで面接の様子を撮影される。びっくりしないことだ。
2次突破後にはハードな会社説明会
2次試験を突破した人に対しては会社説明会が開催される。友人が4月のはじめに会社説明会に招かれた。その時学生は全体で6人だったそうだがまず最初に2人ずつ3組に分けれられる。そして45分間一人の社員と話す事が計3回行われ、最後に45分間かなり偉いと思われる人と1対1で対談する。この間休みはなく3時間ぶっ続けで話をしなければならないためかなりハードである。そしてここでも確実に選考されている気がしないでもない。
最終試験は意思確認ではない
最終試験は単なる意思確認とネットでは書かれていたがしっかりと選考されている。これは普通の面接らしい。志望動機がしっかりと言えれば問題ないとは思うが落とされる可能性も高いので注意が肝心。
合格への急所
先に受けた人の話を良く聞け!
難関の1次試験を突破するのに重要なことは先に受けた人の話を聞き、事前にどのような問題が出るのかを知っていることが最も重要。1次試験のケーススタディは問題を読んで論点を十分に整理する時間がないので事前に内容を聞いておく必要がある。ただし途中で問題を摩り替えられる可能性がある、おそらくこの年は前半と後半で問題を摩り替えられた気がする。しかしこれは週明けになる可能性が高いから自分が受けるのと同じ週の月曜にテストを受けた人の話を聞いておけば安心である。2次試験も同様、選考ステップの項で述べたが先に受けた人の話を良く聞いて事前に対処しておこう。また性格診断をたくさん行うが、基本的に感情の起伏がなく、論理的に物事を考えられる人が向いていると思われるのでそのような項目を重視して性格を答えよう。個人的な感想であるが実際にそのような社員が多くキーエンスには在籍しており、効率性を重視しすぎていて精気が明らかに足りていない気はした。
難易度・結果
大体10人程度が試験を受け、筆記は全員通過、1次試験で7人が落ち、2次試験で私が落ち、3次試験(最終試験)で2人が落ちた。3次試験まで進んだのは最も後からテストを受け、内容をほぼ知っていた2人であった。うちの学科で生粋の優秀な人達でも問答無用で1次試験で落とされていた。これは如何に事前準備が必要かということを示している。もっともキーエンスは選考が早いため練習で受ける人が多く(10人とも練習で受けた)、本気で目指していた人はいなかった。やはりいくら高給といえども激務で知名度の低い会社にはあまり行っても旨みはないのだろう。平均年収も次第に低下してきているのでいつか忙しいだけの普通の会社になるような気もする。技術系の採用は毎年50人くらいらしい。こんなに落としていて本当に50人も取れるのかと疑問もあるが取り敢えず周りで受けた人は全員落ちた。0勝10敗
私の軌跡
- 2/25 理系向け選考会・説明会
- 3/4 1次面接のケーススタディ、性格テスト、言語テスト
- 3/13 再度性格テスト、2次面接(志望動機、フェルミ推定等)
- 3/17 お祈りメール
非常に論理性を問われている感じで落ちたとしても落ちたと納得できる内容であった。しかし会話の中でいきなり企画に必要な能力3つと言われても急に整理できるはずもないので論理力よりも事前準備をどれだけしたかが問われている気がする。学生時代何をしたかなどは一切聞かれなかった。これは学生時代にたいそうな事をしているひとなどほとんどいないという前提で、クイズができるかどうかで決めるというスタンスである。そしてそのクイズはいくらでも対策のしようがあるのでやはり事前準備が重要だと感じた。また2次試験で志望理由は聞かれないと踏んでいたがしっかりと聞かれた。そして何故志望しているのかをこれまた論理的に説明する事が求められたので辻褄が合うように志望理由をしっかりと考えておこう。以下にお祈りメールの内容を記載
お受けいただいた面接、適性検査につきましては、残念ながら○○様のご期待に添いかねる結果となりました。折角お時間をとっていただきながら大変申し訳なく思います。何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。