新日鉄

新日鉄は生産量世界第2位の製鉄メーカーである。世界第一位のアルセロール・ミッタルはさまざまな製鉄会社の買収により世界1位に躍り出たというだけであり、新日鉄は約8000の特許を取得しているが、ミッタルは300に過ぎず、技術力では新日鉄が遥かに上を行く。 鉄は産業のあらゆる場所で必要とされるものである。自動車、家電、船舶、化学プラント、住宅等、鉄を必要としない産業はない。一言に鉄といっても様々であり衝撃に強い鉄、さびない鉄、熱に強い鉄、保湿性に優れた鉄などがあり、新日鐵で作る鉄の種類は50000種類はあるそうである。この高機能な鉄こそが様々な産業において国際競争での強みとなっていくのである。鉄の需要と供給の関係では、需要に対して供給が少ないというのが現状であり、電機メーカーでは如何に数を売るかが焦点となるが、鉄では如何に様々な産業分野に鉄を分配し、産業を支えていくかが焦点となる。産業が発展すればそれは新たに鉄の需要を生むわけであるから、産業を支える事自体が長い目で見ると新日鐵の経営を支える事になるのである。

幅広い専門知識

鉄を作るには物理系、金属・材料系だけではなく電気回路の電気・電子系、システム作成、制御の情報計、建築物を支える土木系・建築系、ありとあらゆるスペシャリストが集まる。採用は大体毎年100人くらいだが2009年は150人程度、2010年も引き続き150人程度を採用する見通しだという

給与は35歳1000万円超

四季報を見ると平均年収が700万円ちょっとと書かれているがこれを鵜呑みにしてはいけない。これは大卒のホワイトカラーの人数に対して、現場で作業を行うブルーカラー層が圧倒的に多いためである。大体ホワイトカラー1人に対してブルーカラー20人といった感じである。大卒で入れば給与は30歳で800万円超、35歳で1000万円といったところであろう。しかも入った時点で管理職として採用するため、全員がその基準まで間違いなく上がる。電機メーカーが一部の人しか管理職になれない、しかも管理職になる歳も基本的に40歳以降なのに対して新日鉄では30歳くらいで一律に管理職となり、かなりやりがいはあると言える。それをやりがいと感じるのかプレッシャーと感じるのかはその人次第といったところ。

採用方法・合格への急所

超学歴主義

新日鉄では新たな鉄を作り、安定的に供給するための技術力、他の経済界の大物と渡り合うための純粋な交渉力が求められるため必然的に学歴主義となる。これはなぜか?もう少し説明すると、まず技術系は、純粋に研究力がある人が求められ、それらの人は旧帝大の理系院卒に圧倒的に多いからではないか。ビジネスセンスとかマーケティング力、顧客に対する視点とか以前に求められる品質の鉄を作れる人、勉強を続けられる人が求められる。このようなセンスが最もあるのは私大で遊んでいたような人ではなく、純粋に、まじめに勉強して来た人である。このような理由から旧帝大は圧倒的に強いといえる。また、事務系・技術系どちらであっても、鉄という産業上、さまざまな業種のトップと交渉するという事が重要となる場合がある。これらのトップは旧帝大卒である可能性が非常に高いため、それに合わせる形で高学歴を採用する、同属意識の問題はかなりあると思う。まあ実際優秀な人が高学歴に多いという理由も大きいが。トップ層はほとんど東大卒で、旧帝大、早慶より下の大学は門前払いをくらいがちとなる。2009年の採用では旧帝大が合わせて59人、早慶22人、東工が8人といった感じで、関関同立、MARCHでは合わせて10人にも満たないという感じである。だから上位大学はリクルーターの力により工場見学を無料ででき、高級寿司を帰りに食べるといった事ができる。採用は気が合いそう、やっていけそうな人を選んでとるという感じ。仕事はきついためタフな人が取られる気がする。